益田市大草町の外れにある谷あいで、荒れ地となっていた昔の集落を平成27年ごろから整備、開拓を始めました。
それと同時期から、牛を通年放牧し、そこにある野草、牧草を食べさせ、牛にストレスの少ない育て方をしています。
妻の実家であるこの土地は、昔は何軒もの世帯が住む集落でした。
しかし、昭和の大水害で家が流され、土地は荒れたそうです。
それにともない、農業を辞め、外に出て行く人も多い中、妻の両親は細々と田んぼを続けていました。
『山を開拓してそこに牛を放牧することで、牛は本来の生きる姿を得られ、人は草刈りや糞出しの作業から解放され、土地は綺麗になる。』
これは、山地酪農と言われる手法で、日本の面積の7割を占める山林を有効活用できる日本の風土に適した手法です。
私たちはこの手法を地元で実践し、本来的な命の在り方と向き合いながら、日本の農の未来を島根の片隅から小声で提言していきます。
牛乳は牛が食べるものがそのものです。
一般的な酪農、畜産では穀物主体の飼養管理が一般的ですが、私たちは草主体(ほぼ草)の育て方で、年間を通して山の中に放牧しています。
牛たちは春は栄養価の高い新芽を、夏には旺盛に伸びる野草を、秋口からは自家製のサイレージ(発酵飼料)や稲を食べます。
荒れた山や耕作放棄地を開拓しながら、倒れた木や笹の葉は冬の大切な餌となり、燃やしたあとは灰となります。
そこで糞尿をし、肥えた土に牧草の種を蒔けば、わずかずつ放牧地が広がっていきます。
そうして、現代社会で価値の失われた里山の新しい在り方を牛たちとともに創造して行きます
牧場は小さな2つの谷があり、一つの谷は放牧地として、もう一つの谷はお米や牛に冬場食べさせる越冬飼料を作っています。
放牧地の横には小さな川が流れ、昔の田んぼには牧草を毎年まき、春には放牧して食べさせています。
山の斜面にはシバやバヒアグラスなどの牧草が生え、春先にはタケノコ、冬場には開拓した時に出る竹の笹や木の葉も食べさせています。
牛たちは夏の暑いときには風通しの良い谷の杉林や高所の竹林で避暑し、寒い冬には風の通らない山の斜面で身を寄せ合って暖を取っています。
田ノ原牧場では牛乳を原料にした製品を販売しております。
田ノ原牧場の商品を定期購入することで、毎月発行している新聞をお届けします。
新聞には牧場の近況や私たち家族の日常、益田で起こった出来事、時事についての所感など、様々な内容をお伝えします。
そうして商品を定期的に買っていただくことで、私たちは牛たちとともに土地を守り、美味しい乳製品を皆様にお届けすることができます。
一緒に牧場でのお仕事を手伝っていただける方はいつでもご相談いただければ、私たちが日々行っている仕事の中身や活動をより知ってもらうことができますので、お気軽にご連絡ください。
私たちは岡山の県北、蒜山にある中国四国酪農大学校を卒業後、岩手県岩泉町にある中洞牧場でともに働き、山地酪農の実践や乳製品加工について学びました。
その後、妻の実家である益田市大草町にUIターン、牧場の経営開始に向け準備をしてきました。
名称 | 田ノ原牧場 |
住所 | 〒699-3674 島根県益田市大草町826-1 |
TEL | 0856-23-4422 |
代表者 | 三宅 貴大 |
事業内容 | 乳製品製造業 |